小規模技術の重要性

スキマ(=ニッチ)を制するものは、世界を制するかも知れない!

お金、人手がなくなると、道路をはじめ、様々な社会インフラの維持管理が大きく滞ります。雑草管理はまさに今社会問題となりつつあります。こちらは、郊外にある県道ですが、歩道を歩くことが困難な状況になっています。毎年草刈りされるものの、上部だけを刈り取りするため、すぐに草が生えてきて元通りになってしまいます。こうした状況が続くと、アスファルトの劣化、あるいは木本の侵入が起こり、施設が壊れてしまいます。実際に草本の根に押されて、コンクリートブロックが破損して車道に転がるような事例もあり、交通事故を引き起こすおそれもあります。

このように道路だけでなく、水路や水利施設、コンテナヤード、建物の屋上など、あらゆるものが、時間とともに古びれて、「スキマ」が生じて、そこから雑草が生えてきて余計に「スキマ」を広げ、害虫が定着したり、漏水の原因になったりと、社会インフラの本来機能が発揮されなくなります。少しづつメンテナンスできる地域は、トータルでの被害が小さくなることは容易に想像できます。できるだけ早く、チマチマと対応することがとても大切です。

実際に、このような現場での対応を公共事業による工事だけで進めようとすると膨大な予算と時間がかかります。現実的には対応が不可能であり、さらに地方自治体の財政状況の悪化も重なって、雑草管理などの維持管理予算はどんどん減っている状況のため、対応方法を改めて再考する必要があります。そこで考えられるのが、工事そのものをダウンサイジング、つまり小規模化して、地域の方々に対価を払って依頼できるようなレベルにまで簡素化する技術にすること、工事の方法を刷新することです。道路路肩の雑草管理の例で言えば、隙間に樹脂を流すだけで解決できるようにすれば、地域の高校生の活動(行政が学校に対価を払うのが理想)でも対応出来る可能性があります。そのことで仮に10年間雑草が抑制されると、行政コストは大きく抑制できる可能性があります。小さく手軽に実施できる技術があれば、地域が主体となって取り組むことができるのです。

道路の路肩での雑草防除の例

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